ときの感覚

時間の感覚は、話し手の頭の中で時間軸がどう移動するかによって柔軟に変更されます。気持ちしだいで、既に終了しているものであれば未来であっても過去形を用います。

I’m afraid I won’t be able to attend the party tonight, so can you tell me who attended the party?
今夜のパーティ行けなくなっちゃった。誰がパーティに行ったのか教えてくれる?

Why don’t you quit your disgusting job? You’ll be glad you did.
仕事辞めないの?辞めて良かったと思うよ。

心の中で時間軸の移動が起こり、既に事態が起こった後から見つめる視線が過去形を使用させています。

時・条件をあらわす副詞節ではwillを使わず現在形を使う、という文法事項も同じ感覚です。
Call me as soon as you get the news.
If I’m free, I’ll drop by and see you.
as soon asとifの中身に注目すると、未来の出来事なのに現在形を使っています。この背景には「あるできごとが起こったつもり」で話している感覚があります。
すでに事態が起こっているつもりで話すときは、心の中の時間軸が物事が起こっている時点に身を置いているため現在形が使われます。

なお、willやbe going to などの表現も必要でさえあれば自由に使うことが出来ます。

ネイティブは規則ではなく、感覚で話していることを忘れないようにします。(日本人は文法に囚われすぎてしまうことが多い。)

■過去完了と未来完了
過去完了は「その過去の時点に自分を移動させる」のが基本になります。
When we arrived at the station, the last train had already left.
whenの時点で、話し手は過去のある時点、駅に着いた時点に移動します。その時点から「そのときまでに起こったこと」を述べるため過去完了という形になります。

「過去の時点を意識し、そのときまでに行われていた、起こってしまっていた出来事をのべる」のが過去完了です。

未来完了も同じです。
I’ll have finished my work by around 7:00. 7時頃までには仕事は終わっているだろう。
My parents will have left by now.今頃両親は家にはいないだろう。

現実の時間に囚われず心の中で自由自在に移動する感覚を身につけましょう。

過去の話をしていても、話し手が過去に移動して臨場感を感じているのなら、現在形も使うことが出来るのです(文法用語で言う歴史的現在の背景)。

参考文献

・「ハートで感じる英文法 決定版」大西泰斗/ポール・マクベイ (著) NHK出版 2018/08/10