ifは「2択」と「プレッシャー」

ifは単に2つの選択肢を提示する「2択」を示す表現です。
ifを使うと、イメージとしてはAかBか、0か100か、プラスかマイナスか、など2つの道が開きます。

このイメージから「もし~なら」という意味合いが生まれます。
If you do this, I’ll do that.
あなたがこれをするなら、私はあれをするよ。

どちらかを選んでしまったのなら、別の選択肢を選ぶような場面です。

「~かどうか」という意味も2択のイメージから来ます。

会話でifを使うためには2択を提示する背景に込められた「プレッシャー」を感じ取る必要があります。
それは「これをしてくれたらああする」「こんなことをしたのなら、あれをするよ」と2択の選択肢を示す時に相手に条件を問いながら自分にとって好条件を引き出したり譲歩を取り付けるのに使うのです。
交渉をする際にifは最も活躍する表現となります。

圧力を使い分けるのにwillと現在形を使い分けます。
if you can’t give me a better price,

I’ll look elsewhere.
他をさがすことになるだろうね willは普通の圧力

I look else where
他をさがすよ 現在形は高圧力。

ifの選択を行うと何が起こるか文の結びの部分で圧力調整が行われます。
現在形は断言の強さがあります。また絶対的な法則にも変えようがないので現在形が使われます。willなど予測の余地がないからです。

ifと現在形には言外に圧力というニュアンスが必ず含まれます。
なお、進行形の-ing系も動作として展開しつつある感覚が相手に圧力を与えます。
If you don’t leave right now, I’m calling the police.

圧力を弱めるためには「離れる」ニュアンスを付け加えます。
If you can’t give me a better price, I’m afraid I’ll have to look elsewhere.
I’m afraidという主観を文に添えることで、本来主張したいことから「離れて」います。

If you can’t give me a better price, I’d have to look elsewhere.
willではなく控えめなwouldを使うことで微弱な圧力にしています。

ifで条件を突きつけた後、どう文を結ぶかのニュアンスを掴みましょう。
普通→will
圧力→現在形

ifは脅迫する際にも使われることがあります。

If you don’t pay the ransom, your child dies.
身代金を払わなければ子供は死ぬぞ

参考文献

「ハートで感じる英文法 決定版」大西泰斗/ポール・マクベイ (著) NHK出版 2018/08/10