倒置と疑問文の感覚 キーポイントは感情の起伏にあり

疑問文は主語の前に助動詞が置かれた倒置という不安定な形です。

倒置は疑問文に限りません。「感情の起伏」があるときに使います。倒置を使うときは話者の感情の高まりと連動しているのです。

So do I. 私も
この文は倒置ですが、「おお!私もなんですよ!」のような感情の起伏が込められています。

倒置を使うと一気に感情が入った表現になります。心の圧力が最大限に高まったときに、ドン!と倒置が自然に現れるのがネイティブの感覚です。

倒置の文としての不安定な形が感情の起伏と結びついています。

never「けっして~」やrarely「めったに~」,so「たいへん~」といった語句は強い感情を倒置を呼び起こしやすい言葉です。
Never have I been so humiliated in my life.
Rarely do I receive any complaints.
Under no circumstances must you allow anyone but me into the room.
倒置は常に強い感情が込められています。
Not only did the crush my TV and PC, but they crushed my chair!
Only when I had been there for two year did I begin to feel at home.
生々しく感情を使えるのに倒置は非常によく使われます。

よって、非常に感情が高ぶった場面で倒置を使わずに通常文にすると感情が感じられない違和感を感じます。
Am I glad to see you!!!←○
I’m glad to see you!!!←×

倒置と感情は切っても切れない関係なのです。

疑問文も倒置と同じです。その背景に「知りたい、聞きたい、尋ねたい、教えて欲しい」という強い感情があるからです。感情の抑揚を表すのに倒置が使われるのです。
倒置を使うまでもない時は語尾を右肩上がりに発音したりします。

特に日本人は会話で感情を表現することが苦手なので、意識して倒置を使って会話に感情を添えるようにしましょう。

参考文献

・「ハートで感じる英文法 決定版」大西泰斗/ポール・マクベイ (著) NHK出版 2018/08/10