It~to…構文の感覚 Itの受ける感覚

It~to…構文はよく書き換え問題として出されますが、まずは感覚をつかみましょう。

Itはthisやthatと違い、その場のものを「それ」と指す単語ではなく、身体で感じた状況を「受ける」単語です。
Itはその場の状況、自分が想像している状況、文脈からの状況を受けるのに使います。

It is difficult to speak English
英語を話すことが頭に浮かんだ上で、その状況を受けてIt is と続きます。to以下はただ内容の補足をしているだけです。

Itには実質的な意味は特になく、ただ受けるだけの単語です。ことばに重量があるとすれば、最も軽い単語と言えるでしょう。
英語は主語を軽くしたい言語なので頻繁に使われます。
なお、Toが主語に来ると非常に仰々しく、大げさで難しい印象を与えます。堅い響きと感じるのは、英語が長い主語を嫌うからです。Itを主語に持ってきた文はその点日常生活で頻繁に使われます。

Itは「それ」とよく訳されますが、日本語に訳すとぎこちなくなります。
日本語は状況を言葉で受けない言語なので、状況を受ける単語であるItは訳せないのです。
日本語にない機能を持ったのがItと言えるでしょう。

普段感じている言葉に出来ない気持ち、漠然と感じている状況をItで口に出す感覚が英語でitを使いこなすための第一歩です。

参考文献

・「ハートで感じる英文法 決定版」大西泰斗/ポール・マクベイ (著) NHK出版 2018/08/10