助動詞について must「圧力」 may「閉ざされていない」 will「精神力」 can「潜在性」

ここでは助動詞の基本イメージから捉えていきます。

mustは「圧力」
mayは「閉ざされていない」
willは「精神力」
canは「潜在性」

これらの助動詞は話し手の主観を表します。話し手の気持ちを助動詞を使うことで表現することが出来るのです。

must「〜ねばならない(義務)」、「〜にちがいない(推定)」
mustは体が押し出されるような強力な圧力が中核イメージです。
論理的な圧力としてそれ以外にないだろう、と決めつけや断定を表現します。

may「〜してよい(許可)」「〜かもしれない(可能性)」
mayは「閉ざされていない」が中核イメージで、許可の意味合いもここから発生しています。
閉ざされていない、ドアが半開きになっている→入っても良いイメージなので、可能性が閉ざされていない意味合いを持ちます。
「閉ざされていない」イメージなので、高いイメージではなく、当たるも外れるも50%ぐらいの確立を示します。
mayは具体的な事柄について、「どうなるのかわからない」というニュアンスです。

will「〜する(意志)」「〜だろう(予測)」
willは精神力、明確な意志があることが中核イメージで、mayより遙かに確信度が高いことを示します。
力強い意図を含むため、励ましなどでの説得力が増します。
You’ll be successful. おまえは成功するよ。

can「〜できる(能力・可能)」「〜してよい(許可)」
canは潜在性を表します。〜しようと思えばできる、という潜在的な力を持っているという意味合いです。
許可の意味合いを持つcanも、やろうと思えばしていいよ、というニュアンスです。
「やろうと思えばできた」というニュアンスがつくので同じ「できた」を意味するbe able toと使い分けます。
潜在性を意味するので、その物事が本質的に持つ可能性、一般的な性質を示唆します。

It can get cold in the desert at night. 砂漠は寒くなることもある。
She can’t do that! 彼女はそんなことするはずがないよ!(普段そうしたことは絶対にしない人物を強調)

■mayとcanの「出来る」は本人に焦点があるか無いかで使い分けます。
mayは背後にある「許可を与える主体」が意識されるので、フォーマルな印象があります。
Students may use the car. 学生はその車を使っても良い。

行動の主体である本人の「できる」に焦点が当たったcanは気軽な表現になります。
You can use PC on the library. 図書館ではPCを使っても良いよ。

May all your dreams come true. あなたの夢がすべてかないますように
神様とか超常の存在を背景にイメージして、可能性のドアを開けているイメージです。

■可能性のwillとmay
mayが表す可能性は50%で、willはかなりの確信を持った力強い表現です。willを使う時は、「○○は〜するものだ」という強い確信や話者の信念が背景にあります。

willは意志の力から強い傾向を意味するので、習慣としてのwillの使い方もあります。
He always will lost his pen when he come new office.
彼はいつも新しいオフィスに来るときペンをなくしてしまう。

過去の習慣はwouldで伝えられます。
When I was a kid, I would go to a theme park.
子供の頃、テーマパークに行ったものだった。

間違っているかも知れないはmay
He may be wrong. 彼が間違っているかも知れないね。

まちがうことだってあるはcan
He can be wrong. 彼だって間違うことがある。

■参考文献

・「ハートで感じる英文法 決定版」大西泰斗/ポール・マクベイ (著) NHK出版 2018/08/10