notには「〜ない」という意味がありますが、基本的なイメージとして後続を打ち消す単語という感覚を覚えましょう。
notの後ろに続く文を打ち消すので、notの位置が重要です。
I deliberately didn’t touch it. わざと触らなかった。
I didn’t touch it deliberately わざと触った訳じゃない
notは後ろにくるものなら何でも打ち消す万能否定語です。
notは後続を打ち消すので、セットで使われることも多いanyoneはnotの前に来ることが出来ません。
anyoneは誰でもを意味しますが、notの後ろにあって初めて意味が通じるからです。
I don’t like anyone.
× Anyone didn’t attend the party.
notがどこに掛かっているかで意味が変わるので、notを使った文は曖昧で誤解を生みやすくなるので注意します。
その場合カンマ(,)を入れて一呼吸ついたり明確にnotを否定する部分の前に示したりと工夫をします。
I didn’t study because my parents came. あいまい
I didn’t study, because my parents came. 両親が来たから勉強しなかったぜ(反抗的)
I studied not because my parents came. 両親が来たから勉強した訳ではない。
後続を否定するので、
The rich are always not happy.
The rich are not always happy.
の違いが分かると思います。
いつも幸せじゃないのか、いつも幸せであるとは限らない、の違いです。
notの位置で強力な否定がマイルドになります。
I really don’t like her. 彼女のことが本当に嫌いだ!
I don’t really like her. それほど彼女のことが好きって訳じゃないな。
alwaysやreallyなど強い語句はnotとの位置関係によって意味が変わるので常にnotの後ろか前かを意識します。
notは後続否定であることを意識して感じ取りましょう。
Not many~ そんなにない〜
Not all~ 必ずしもすべてが〜
Not necessarily~ 必ずしも〜
Not exactly~ 必ずしも〜
・notは受け答えでカウントしない
Do you like English? 英語好き?
Don’t you like English? 英語好きじゃないの?
Yes I do
No, I don’t.
受け答えはDo youでもDon’t youでも同じで、受け答えの時のnotはカウントしません。
Don’t youで聞かれても否定するときはNo,I don’tと答えるので、日本語では逆転するので感覚が違う箇所です。
You’re not going to leave me alone here, are you?
Of course not! Don’t worry.
日本語だと前のnotを受けてついOf courseとなりますが、そうしてしまうともちろん置いていくよ!とひどい意味になってしまいます。
しっかりと答えるときにはnotを付け加えておきます。
I didn’t go to work today.
Why not?
こちらもnotを加えるのが自然です。
英語は自分がどちらの主張をするのか早めに旗色を出すことが重要です。
I don’t think~
I think it’s not~
では最初のdon’tとnotを前倒しにして使うのが標準的です。
最初に展開を示してあげる事でその後の展開の心構えが出来ます。
notを後で示すことは逸脱した形で何か別のニュアンスを出したいときです。
また言いたいことの直接的な表現をマイルドにするためにもnotは使われます。
That’s not very convenient.
That’s not exactly right.
I’m not saying ~
一番ストレートな強烈な表現を否定して、同じ事を別の言い方でマイルドに置き換える。これは日本語でも英語でも同じです。
行動を促す否定疑問
Don’t you have a coat?
(外は寒いぞ)コートを着ていかないの?(コート着なよ)
Don’t you have a dictionary?
辞書持ってないの?(辞書使いなよ。)
Don’t you think we should leave?
出発する時間じゃないの?(もう出よう)
よく使われるWhy don’t you ~も同じです。
no discount
not for discount
が正しい。
参考文献
「ハートで感じる英文法 決定版」大西泰斗/ポール・マクベイ (著) NHK出版 2018/08/10